闘病5年間の記録  おおごとばい。
女房殿への報告

昼食時の女房殿にメールしたのが、2013年9月10日。一泊ドックの二日目を受検中の日本赤十字社医療センターからだった。

前日の検査で、血糖値が異常に高いことがわかっていたが、この日の腹部超音波エコー検査で、膵臓(すい臓)に影が発見されたのだ。どう判断すべき判らない段階だけど、悪~い予感に従い先行発信したメールである。
その後、健康管理科の医師から、内科に行くように指示され、さらに内科では、肝胆膵を専門にする医師を待つように指示される。その先生は伊藤由紀子医師という。面談すると、エコーの画像を見ながら、看護師に「CTをすぐに手配して」。それから、おもむろに、「これでは判らないからCTを撮る。早ければ早いほうが良いからね。画像が上がるまでもう少し待ってもらうけど、よろしく。」と、短い会話。

CTの結果が出て、呼び出しがかかる。

膵頭に影があり、膵臓全体が萎縮している画像を見せられる。勝手な想像であるが、何か言いづらいような表情に思えた(後から考えるとそんなシャイな方ではないと思うが。)ので、「膵臓癌ですか。」と切り出したところ、「非常に可能性が高い。おそらく。」と知らされる。その上で、CTの結果だけでは、手術を行う決断が出来ないので、生体検査が必須になる。そのためには、明日から検査入院すべし - 早い。こちらも即時、了承。

翌11日から、手術を想定して検査を進めるが、生体検査の結果がでる13日の金曜日に全てが確定する。この段階で、医師が一刻も早く検査して、手術の準備にかかっているという状況は最悪のシナリオではないと信じる。

帰宅後、女房殿に報告。

膵癌であることが予想されるが、その場合、二つのケースが考えられる。

  1. 膵頭十二指腸切除手術(PD手術)を行う。これは、膵頭に腫瘤が出来ているだけで、転移がないと判断されたとき。唯一、完全治癒の可能性がある方法
  2. 手術をせず、抗がん剤、放射線などで抗がん延命を行う。長くて5年、早ければ数ヶ月の余命
このことについて翌11日に家族への説明があることも伝えた。後日、女房どの曰く、「我が家の911だ!」。

まことに「おおごと」である。こんな状況になると、自分ではパニックになると思っていた。しかし、諦観してもいないのだが、非常に冷静。インターネットからの一般情報と医師の正確な情報伝達によって、「よくわからない」状況ではなく、「0」か「1」かという、明確な事実があったからだと思う。もう一つの要因は、人間ドックで発見されたのが早い時期だったという事実が、自分を例外だと思わず受検を続け、自分を救う可能性を掴めたという自信を得たことである。

その後、予測通り癌が確認され、ドック受検から10日目に手術をする。このページは、手術より大変だと聞いている闘病の記録の序としようと思う。続編は、手術後に少しずつUPしていきたい。もちろん、この日赤と医師たちを信頼し、手術が成功することは確信している。では、術後に、また。