東海岸のドライブ

Iceland

東海岸のフィヨルド地帯をツアーのミニバスで北上したのだが、その時の様子を掲載している。どんよりとした曇り空の中、リングロードを海岸沿いに走る。右には海が見え隠れし、左側には水平な層を見せる山肌やその山肌に切れ込んだように落ちる滝などが続いていて、2時間ほどだったが飽きない景色を堪能できた。フィヨルドの奥に土砂などが堆積して浅くなっているところがあり、その中を割って造られたコーズウェイ(堤道)みたいなところを通るところがあったが、海の中道的な雰囲気で、少し不思議な感じがした。

次の3枚はバスの窓から撮ったもの。うまく撮れてはいないが、雰囲気は伝わると思う。

プレート境界上にあるアイスランドでも、東部地域は現在の活発な火山帯から離れており、古い玄武岩の地層が厚く積み重なっている。この大地にできた河川によるV字谷が、繰り返された氷期に氷河によって削られ、U字谷へと変わるなどして、現在の地形の原型が形成されたのだろう。氷河が後退した後、U字谷などに海水が入り込み、フィヨルドとなった場所もあるわけだ。古い玄武岩の地層が長い時間をかけて侵食されながら残った大地ということだろう。U字谷の崖に見える地層の帯など、ダイナミックな地球の活動の姿を目の当たりにしていると思うと、興味深い。

最初のストップは、ブレイズダールスビーク(Breiðdalsvík)辺りの牧場で、アイスランドホースと戯れる時間を10分ほどもらえた。アイスランドホースは、幾度か撮影する機会があったので別ページ、「アイスランディック ホース」のページに掲載する。

時系列になってはいないが、この近くでトナカイ(hreindýr/Reindeer)を農場で見かけたり、ミョウエイリ(Mjóeyri)という70~80km北の村落ではアイスランドキツネ(Arctic Fox)を見せてもらった。人里に現れた子ギツネがその場所に居つき、飼い犬とも一緒に過ごしていたようだ。人に慣れているようで抱き上げる人もいた。

トナカイは、18世紀にノルウェーから「牧畜用」として導入されたものの、アイスランドでは家畜化されず、現在は東アイスランドだけに野生個体群が残っているそうだ。そのとき見かけた2頭も、野生のトナカイだったのだろう。実は、朝にも牧草地のようなところで1頭を見かけた。

東部地域で、人が自然の中で動物とともに生きている一面を見たような気がした。

Petra's Stone Collection

ペトラ・スヴェインスドッティルという女性が、生涯をかけて東海岸を中心に山や海岸から集めた多くの鉱物などが、かつての自宅と庭いっぱいに展示してあるジャスパーや瑪瑙、石英、カルサイト、ゼオライトなど、火山地帯ならではの多彩な石が並んでいた。

Petra's Collection
ヘルグスタディール鉱山(Helgustaðanáma)
Helgustaðanáma
鉱山跡の入り口。

ヘルグスタディール鉱山(Helgustaðanáma)という鉱山跡である。世界的に知られた「氷州石(アイスランドスパー)」の採石場跡だそうだ。氷州石とは、極めて透明度が高い方解石(カルサイト)の結晶のことで、偏光など光の性質を研究するうえで重要な役割を果たし、顕微鏡をはじめとする光学機器にも利用されたという。なかなか重要な場所らしいが、その割には、何の防護もないし、見学者もいない。中に入ると、実際に岩肌にキラキラする小片が見える。ただし、どんな小片でも持ち出しは絶対禁止だった。

自分にとっては、この鉱山跡の前から見えるレイザルフィヨルズル(Reyðarfjörður)と呼ばれるフィヨルドの風景がとても印象深かった。

ホールマネス自然保護区(Hólmanes - Nature Reserve)

レイザルフィヨルズルに面し、エスキフィヨルズル(Eskifjörður)との間に突き出た岬、ホールマネス(Hólmanes)が自然保護区となっている。二つのフィヨルドが見渡せる場所である。この辺りから天候も回復し、青空が見え始めていた。ホールマボルギル(Hólmaborgir)と呼ばれるドーム状の岩山があり、シンボル的な印象がある。周囲の溶岩層の間に入り込んだマグマが固まった岩体だそうだ。

エスキフィヨルズル(Eskifjörður)の対岸には、フィヨルドと同じ名を持つ町エスキフィヨルズルがあり、クルーズ船が寄港しているのが見えた。調べてみると、フェニックス・ライゼン社(Phoenix Reisen)のアマデア号(MS Amadea)という船だった。この日は午前9時から午後5時まで8時間ほど停泊し、乗客はこの辺りのエクスカーションを楽しんでいたようだ。2026年現在の寄港時のエクスカーションを調べてみると、我々が訪れたペトラの鉱石博物館や、ここホールマネスを巡るコースもあるらしい。

内陸部へ

ホールマネス自然保護区のあと、海岸沿いのフィヨルド地帯を後に内陸部へ向かった。最初の画像は、レイザルフィヨルズルの最奥部で見にバスの中から撮ったものだ。天気が回復し、午前中に見てきた風景とはまるで違う場所を見ているようだった。とはいえ、同じように崖や滝が続く風景である。天候によって印象がずいぶん違って見えた。

内陸部を進んでいくと、水面が見えてくる。これは、ラーガルフリョウト(Lagarfljót)という氷河が削った谷に淡水が溜まった細長い湖である。湖といっても、南の氷河地帯から北の海まで140kmほど続く水系のうち、水が細長く広がったところ。川というか、フィヨルドというか――湖という感じはしない。川という方がしっくりくる。

このラーガルフリョウトの南端からさらに奥へ続くのが、フリョツダルル渓谷(Fljótsdalur)である。そして、その谷へ流れ込む支流の一つが形成した滝が、ヘンギフォス(Hengifoss)である。この滝については、別のページに掲載した。