周年記念イベントのために、20年後の未来を舞台にしたオリジナルアニメを制作した。
アニメ制作の知識など何もなかったが、原案を書き、制作スタッフを探し、声優をキャスティングし、一本の作品として完成させた。振り返ると、会社のイベントというより、自分自身の「作ってみたかったこと」を実現したプロジェクトだったように思う。
周年記念イベントのために、20年後の未来を舞台にしたオリジナルアニメを制作した。
アニメ制作の知識など何もなかったが、原案を書き、制作スタッフを探し、声優をキャスティングし、一本の作品として完成させた。振り返ると、会社のイベントというより、自分自身の「作ってみたかったこと」を実現したプロジェクトだったように思う。
所属会社で周年記念パーティを実施することになった。そこで、20年後の未来を描くオリジナルアニメを制作することを思いついた。
まず考えたのは、「どんなアニメにするか」だった。
自社で開発した「循環系環境ユニット・プロトタイプ」を会場にした20年後のイベントを描くというストーリーにいたるまで、ブレーンストーミングを繰り返した。まずは、アニメの骨格となる設定づくりから始めた。
次に、「循環系環境ユニット・プロトタイプ」はどういったものかという世界設定をすこし具体的に詰めていった。
こうして少しずつ、未来社会の輪郭を作っていった。「こんなのはできっこない」と言Flashエバンジェリスト、一貫していた。
アニメを作ることになったはいいけれど、問題はアニメの作り方など全く知らなかったことだ。最初に相談に乗ってくれたのは、当時行きつけだったバーのマスター。彼もアニメが好きで、かつアニメ制作に関係している方を知っているとのこと。そして、最初に紹介していただいたのが Flashエバンジェリストの方だった。次は彼が、Flash Movieの先駆者たちを紹介してくれ、最終的に脚本、監督、キャラクターデザイン、アニメーション作成を青池良輔さんにお願いすることになった。「紙兎ロペ」などの監督・脚本をされている方だ。有限会社クリエイティブアーティスツの平沢さんがプロデューサーを務めてくれた。
この二人が決まると、自分たちが考えてきた世界設定やストーリーの断片を持ち寄り、何度かミーティングを重ねた。そこで痛感したのは、アニメは「足し算」ではなく「引き算」だということだった。
自分たちとしては、「循環系環境ユニット・プロトタイプ」に至る経緯や社会システムの設定も説明したかったのだが、「そこは本筋ではない」「冗長になる」とバッサリ切られた。今思えば当然なのだが、当時は少し残念でもあった。一方で、施設のデザインや世界観については熱心に議論した。考えていた施設のイメージが、ちょうど放映中だった『マクロスフロンティア』のアイランド14にあまりにも似ていたため、「これは見せないようにしよう」という話になったこともある。キャラクターデザインについては、「かわいい系」ではなく未来を感じさせるものにしたい。また、日本人だけが登場する世界にはしたくない、といった方向性が少しずつ固まっていった。
やがてラフな脚本が出来上がり、平沢さんが各分野のスタッフ探しを始めた。素人の自分たちには判断できる領域ではなかったが、不思議なくらい迷いなく制作体制が整っていき、最終的な体制は以下のようになった。
まるで、テレビで見るアニメのエンドロールみたいだ。
声優のキャスティングの楽しみは青池さんには譲らなかった。だって・・・
その時、候補に挙がっていたなかには、次の人達がいた。
| 男声 |
郷里 大輔阪 脩島田 敏
稲田 徹置鮎 龍太郎小野坂 昌也
飯塚 昭三若本 規夫中村 悠一
|
|---|---|
| 女声 |
桑島 法子小山 茉美久川 綾
井上 麻里奈福圓 美里玉川 紗己子
|
今あらためて候補者の名前を見返すと、その顔ぶれの豪華さに驚く。最終的に参加してくれたのは「ゆかな」。当時は『コードギアス反逆のルルーシュ』という人気のTVアニメの準主役「C.C.」を演じていた人だ。プリキュアのキュアホワイトなど多数の作品に出演している。「たちこま」にしようか、「みさと」にしようか、「ラクス」にしようか。半分冗談のように話していたのだが、最終的に「C.C.」役のゆかなさんが参加してくれることになった。一番驚いたのは、たぶん自分たちだった。男声優は、目黒光祐さんと井上剛さん。目黒さんは、かのマクロスでカムジンという結構コアなキャラを演じていたベテランでこのアニメでも実力を発揮していただいた。井上さんはその後「TIGER & BUNNY」のスカイハイなどを演じている。シグマセブン所属の声優さんでまとまった。
アニメでは、「循環系環境ユニット・プロトタイプ」を会場として20年後の周年記念パーティが開かれる。最後にスピーカーとして社長が紹介されるのだが、そのパーティで発表されるという重大情報をスクープしようと試みて会場に潜入したコンビが、会場にたどり着くまでのことを前置きとして使っている。ガジェットとして、iPhone に似た全画面携帯機器が出てくる。そのイベントから20年経っていないのだが、アニメ内の想定より現実の機器の方が圧倒的に進化している。あるあるの話である。
この映像は、今も時々一人で見て思い出として懐かしんでいる。見たい人にはことある毎に見せている。しかし、声優さん達との約束でWEB上での公開は1ヶ月となっているのでお見せできないのが残念である。代わりにと言ってはなんだが、途中のスクショを三枚だけ紹介しておく。
アニメ製作に没頭していた時の熱量は今でも鮮明に思い出せる。とても、当時の楽しさは伝えきれなくて残念だ。
この作品の制作は会社の行事の一環ではあったが、やはり自分で自分のために作った作品だろうと改めて思う。作らせてくれた会社に感謝である。
なお、このイベントの終了後、関係者が集まって打ち上げをおこなった。ゆかなさんも来て頂いて大いに盛り上がった。ゆかなさんがお酒をたしなまれないことは誤算だったが。
やはり、最後まで自分のためだったのだ。