ゴールデンサークルとは、レイキャヴィクから日帰りで回れるほどの距離にあるアイスランド観光で最も有名だと言われるエリアで、シンクヴェトリル(Þingvellir)、ゲイシール間欠泉(Geysir)、グトルフォス(Gullfoss)の3ヶ所が主な見所である。
レイキャヴィクから、ゴールデンサークルエリアへ向かうと、これでもかと飛び込んでくるアイスランドの風景に目を奪われ続ける。撮影した風景を何枚か紹介しておきたい。
ゴールデンサークルとは、レイキャヴィクから日帰りで回れるほどの距離にあるアイスランド観光で最も有名だと言われるエリアで、シンクヴェトリル(Þingvellir)、ゲイシール間欠泉(Geysir)、グトルフォス(Gullfoss)の3ヶ所が主な見所である。
レイキャヴィクから、ゴールデンサークルエリアへ向かうと、これでもかと飛び込んでくるアイスランドの風景に目を奪われ続ける。撮影した風景を何枚か紹介しておきたい。
このシンクヴェトリル国立公園は世界遺産である。そして自然遺産ではなく文化遺産である。西暦930年頃にアイスランド全土を代表する野外議会アルシング(Alþingi)がここに設けられ、中世から続く統治制度を伝える場所であること、さらにアイスランド人の文化的アイデンティティと深く結び付いていることなどが評価されている。
とはいえ、自然も素晴らしい。アルマンナギャウ(Almannagjá)という断層壁に沿って幾つもの見所がある。まずは、エントランス近くのハキズ(Hakið)展望台から全体像を見渡す。展望台から降りたらアルマンナギャウの麓を北に向かって歩く。アルシングの中心舞台となったログベルグ(Lögberg)の横を通る。ここでは、断崖が天然の反響板となり、演説の声を大勢の民衆に届けるという自然の地形も利用されていたそうだ。続けてオクサ川(Öxará)がアルマンナギャウから落ちるオクサラフォス(Öxarárfoss)の滝まで進む。高さ13m、幅6m程度のさほど大きなものではないが、川筋は10世紀頃人の手で変えられて現在の位置にあるとのこと。アルシングの会場に飲料水を供給するためで、アイスランド最古の大規模な河川流路変更によって生まれた滝ということになる。
歴史や景観も見所ではあるが、プレートテクトニクス運動の実例を景観として見ることができることが一番の魅力かもしれない。アイスランドは、「北アメリカプレート」と「ユーラシアプレート」の境界である大西洋中央海嶺の上に位置している。そして、この境界を境に年間数センチメートルずつ広がっている。このシンクヴェトリル平原あたりでは、その境界が一本の線ではない。アルマンナギャウ(Almannagjá)やフラフナギャウ(Hrafnagjá)など複数の断層や裂け目があり、その間には地溝帯が形成されている。また、アイスランドには二つの大きなプレートのほかにマイクロプレートも存在するという。
これらのシンクヴェトリルの断層については、国立公園公式サイトの中にある「テクトニクス運動(Tectonic Movements)」のページに詳しい。
地学的な話は、「アイスランドの地形をつくる三つの要因」のページにまとめている。
「ゲイシール」と書いたが、ゲイシール間欠泉は、世界中の間欠泉の語源(Geyser)となった歴史的にも有名な存在だが、現在は休眠状態となっている。にもかかわらず、ハウカダール(Haukadalur)という谷の地熱地帯も「ゲイシール」と呼ばれている。観光案内などもほとんど「ゲイシール」である。なんとも強い名前だ。
休眠中のゲイシール間欠泉の代わりと言っては語弊があるだろうが、近くのストロックル間欠泉(Strokkur)が見応えある間欠泉として存在している。5〜10分おきという高い頻度で、高さ20〜30メートル(最大約40メートル)まで温水を噴出する。グリーンのバブルが湧き上がり、噴出し、反動で凹むまでの一連の動きはとても興味深い。
ストロックルとゲイシール以外にも、40箇所以上の小さな温泉、間欠泉、泥沸騰泉、噴気孔 が点在しているエリアである。
ストロックル間欠泉で、グリーンのバブルが湧き上がり、噴出し、反動で凹むまでのシーケンス
グトルフォス(Gullfoss)の滝は、シンクヴェトリルを出て、次はグトルフォスという滝に向かった。この滝は、クヴィータ川(Hvítá)にあり、平原のど真ん中でいきなり滝が出現する。平原に滝? なんか違和感がある。地質学的に調べてみたら腑に落ちた。グトルフォス周辺にはプレート運動に伴って生じた複数方向の断層や割れ目があり、クヴィータ川はこうした侵食されやすい弱線に沿って峡谷を刻んできた。そのため川はグトルフォスで鋭角に方向を変え、二段の滝となって峡谷へ落ち込んでいる。峡谷の形成には、氷期末の巨大なヨークルフロイプ(jökulhlaup)が大きく削ったという説もあるが、現在は、氷河が後退した後にクヴィータ川が長い時間をかけて侵食したという説の方が有力とされている。断層と氷河、そして川の侵食が重なってできた地形と考えると、あの不思議な形も想像できるというものだ。
近くの上部展望台から、1枚目の写真のように全貌を見渡すことができる。
下部展望台は、到達感満載で記念写真を撮らずにはいられない場所だ。良い景色が見えるわけではないが、水しぶきを含め迫力満点なのだ。滝の写真を撮るなら、少し手前の下段の滝のすぐ横の遊歩道がベストスポットだと思われる。5枚目の写真がそのポイントで撮ったものだ。
6枚目以降は4月の第1回目の訪問で撮影した。7枚目は、滝エリアの北側にある柵のすぐ外を流れる川の様子。この水路はクヴィータ川へと流れ込むのだが、周囲とは異なり、なぜか赤い岩石で構成されていた。火山性の鉄分を多く含む地層を通り、地上へと湧き出た緩やかな支流の水が、空気に触れて酸化したことで周囲の岩を赤く染めたのだろう。グトルフォスが持つ圧倒的な「動」の迫力と、この水路が醸し出す「静」の佇まいが同居する様子が、とても興味深かった。